●再製本



当店で取り扱う書籍については、解体した部品を使って再製本化できます。



           再製本の証明の為、天地逆に再製本化してあります。

再製本とは解体した書籍を完全に元通りの書籍に戻す事ではありません。
よって元通りにならなかったという事での補償はしません。
特に無線綴じの場合は以下のような注意点があります。


1.見返しや遊び紙が無くなります。
見返しと表紙の接着部分は見返しの一部を残してあります。使ってある接着剤によっては綺麗に剥がせる場合があるのですが、それでは何故残すかというと、再製本の後、本を閉じてしまうと、今度は接着剤により表紙と本文が癒着してしまうからです。

但し、見返しや遊び紙に何か書かれていた時は残します。


2.表紙は汚れます。

解体した時、「のど」から糊がはみ出してしまいます。一度冷えて固
まった糊を無理に溶かすと広がるだけですので、そのままにして、
後からカッターで削る方が見栄えが良くなります。書店で売られて
いる時点で既にはみ出ている物もあるくらいです。糊以外に汚れる
原因としては、解体時の表紙を引き剥がす再に折れてしまって筋
や皺になって残る事があります。また熱により変色したり、炙り出し
の効果で指紋等の汚れが目立つ物があります。特に特殊な樹脂
によりコーティングされた表紙の場合は熱により背表紙付近の樹
脂面が剥がれたり破れたりします。



3.「のど」が弱くなっています。
書籍の解体の所で説明したように、「のど」の部分は色々な工夫により、何度もページを見開いても簡単にはページが外れてしまわないようになっています。その構造を解体時には壊してしまう訳ですから、再製本しても元通りにはならず、強度がかなり落ちています。単に室温が高いだけでも外れる危険がありますので、できればそのままそっと保管して、データ化した物をお読み下さい。

4.ページとページが癒着している場合があります。
書籍を解体する際に、「のど」の部分に染み込んだ糊から分離して若干糸状になったり小さな糊の固まりが飛び散ります。取り込みの際にはブラシで一応払うのですが、糊に粘りけがある為に完全には払えずにページの表面に付着して、そのまま圧力がかかってページとページをくっつける訳です。万が一そのようなページを発見した時は、無理に剥がさずにドライヤーの熱等を吹きつければ剥がれます。但し長く吹きつけていると「のど」の部分の製本糊が溶けだす原因になりますので注意して下さい。